会長挨拶

末木博彦会長

第81回日本皮膚科学会東京支部学術大会
会長 末木 博彦(昭和大学医学部皮膚科学講座 教授)

このたび、第81回日本皮膚科学会東京支部学術大会を担当させていただきます、昭和大学の末木博彦です。東京支部学術大会81回の歴史の中で昭和大学の主催は1965年の故橋本 謙名誉教授による第29回(当時は東日本連合地方会)、1994年の藤澤龍一名誉教授による第57回、2006年の飯島正文名誉教授による第70回があり、今回が4回目になります。東京支部と東部支部に分かれて開催されるようになった第55回以降は毎年2月に開催されてきましたが、日本皮膚科学会事務局に運営事務局を担当していただけるようになり、今年度から3月の決算に間に合わせるために遅くとも12月中旬までに開催することになりました。

昨年度2月の第80回大会との間隔が9ヵ月と短く秋の各支部総会が続く時期であり、本学会テーマは特徴を明確にするために治療に重点を置くこととし、「躍進する皮膚科学—軸足を治療へ」とさせていただきました。「躍進する」には当教室の主要な研究テーマの1つである「薬疹」を掛け言葉としました。メインテーマに関連の深い基調シンポジウムとして「わが国の皮膚科治療の進歩と将来展望」と「薬疹する皮膚科学」の2題を企画いたしました。前者は大雪に見舞われた第77回東京支部学術大会で企画された日本の皮膚科治療は世界水準といえるか?〜他国を知り、日本の治療事情を考える〜の続編であり、この4年間にわが国で新たに導入された治療、進歩がみられた治療を各治療の第一人者の先生方に総括していただき、近未来の展望についてもご紹介いただくことにいたしました。後者は薬疹の新たな治療に結びつく可能性を秘めた最先端の研究成果について講演いただきます。基調シンポジウムのほかに9つのシンポジウムと12の教育講演を企画しましたが、その多くは皮膚科治療をテーマとしたものです。皮膚科治療とは関係の薄いものの皮膚科医の存在価値を高めるのに重要なテーマであるデルマドロームをシンポジウムの目玉の1つとして加えました。糖尿病の皮膚病変が私の学位論文の1つになったことから個人的な思い入れもありますが、1年以上前から興味をお持ちの先生方が集結し準備を進めてきました。スマホを使って聴衆の先生方の御意見をその場で収集するシステムも取り入れてみたいと考えます。

招待講演としてスイスZürich大学皮膚科主任教授のLars French先生と英国Nottingham大学Centre of Evidence Based DermatologyのJonathan Batchelor 先生にご講演をお願いいたしました。French先生は早くからSJS/TENにIVIg療法を開始されるなど、重症薬疹の免疫学に造詣の深い先生ですが、今回はわが国でもトピックスになっております自己炎症症候群の研究成果をお話いただく予定です。Batchelor先生は医学部最終学年に日本に留学され、当時から皮膚科に興味をもち、成育医療センターや昭和大学皮膚科で学ばれました。現在はBritish Journal of Dermatologyでclinical trialの section editorを勤めておられ、英国でのclinical trialのお話をお願いしております。日本語・日本文化にも精通しておられ、日本語でご講演いただく予定です。

特別講演として慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 細胞情報研究部門 教授 河上 裕 先生に基礎研究の立場から「免疫チェックポイント阻害薬の光と陰」についてお話いただく予定です。もう一題は岐阜大学名誉教授の高橋優三先生に近年実用化が話題沸騰中の「医療における人工知能(AI)の現状と近未来像」についてご講演をお願いいたしました。

教育講演に加え、若い世代の先生方に実技を身につけていただくために、京王プラザホテル42階の2室を使い、ハンズオンセミナーを多数企画いたしました。皮膚病理、ダーモスコピーに加え、乾癬性関節炎の触診法、真菌検査法、プリックテスト、フットケアを取り上げました。機器等の設備が必要なため、事前予約制を原則といたします。受講希望者の多い皮膚病理とダーモスコピーは講師の先生方にはご負担をおかけしますが、会期中に同じ内容を2回ずつ行なっていただきますのでこの機会を是非ご活用ください。

多くの講演や一般演題が同時進行いたしますので、今回も前回に引き続きE-learningでの講演聴講を可能にいたしましたのでご利用ください。秋の学会シーズン、行楽シーズンたけなわの時期ではありますが、東京支部はもちろん全国から多くの演題発表、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。